MREALで実在の人物を3D仮想映像空間内に合成表示する人物合成映像システムの提供を開始
- ニュースリリース
2014年8月26日
キヤノンITソリューションズ株式会社
キヤノンMJ ITグループのキヤノンITソリューションズ株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:浅田 和則、以下キヤノンITS)は、MR(Mixed Reality)システム「MREAL」(エムリアル)を使い、実在の人物全体を3D 仮想映像空間内に正しい前後関係でリアルタイムに合成表示する人物合成映像システムの提供を、2014年8月26日より開始します。
実在の人物とCGとの前後関係を正しく表示することで直感的な検証作業を実現
MREALを用いた設計レビューや作業性検証などの取り組みにおいて、実在の人物を仮想空間内で正しい位置関係で表示することで、体型・姿勢・動きなどを同時に把握でき、より現実に近い検証作業を実現します。
例えば、住宅販売での顧客の身長などに合わせた住設機器の提案や、工場の生産設備設計における作業者の姿勢・動線シミュレーション、車両・大型機械設計での組立・整備性の検証など、仮想物体と人物との関係の検証が求められる様々な用途で活用することができます。
客観映像による多人数での同時評価が可能
ヘッドマウントディスプレイを装着したユーザーの視点による「主観映像」に加えて、その様子を外部定点カメラで俯瞰的に捉えた「客観映像」においても、人物合成映像を表示できます。
客観映像を大型ディスプレイに表示することで、仮想物体と人物との位置関係や動線などを多人数で共有し、評価や検討を進めることが可能になります。
戸建住宅ショールームに採用
本システムは大和ハウス工業株式会社様の戸建住宅体感施設「TRY家Lab」の「トライエ ヴァーチャル」に採用され、キヤノンマーケティングジャパン株式会社を通じて先行導入しています。
- ※このシステムは、お客さまごとにキヤノンITソリューションズがMREALをカスタマイズして提供します。
価格は別途お見積りとなります。
人物合成映像システムの主な特長
1. 特長1 実在の人物と仮想物体との前後関係を正しく表示
実写映像の特定の色を仮想映像上に重ねて表示するMREAL Platformの「カラーマスキング機能」を応用し、特定の色(クロマキー背景色:緑または青)以外の映像を対象とすることで、実写映像から人物全体を抽出します。
3Dステレオカメラの視差を利用したリアルタイム画像処理により、空間内の人物の位置を推定し、人物と仮想物体との前後関係を正しく反映して表示します。
建築物や車両・大型機械など、視野全体に仮想物体が広がるようなコンテンツでは、体の位置や姿勢、仮想物体と人との関係、人同士の位置関係などを確実に把握でき、より正確な検証作業を実現します。
2. 特長2 2つの表示方法に対応
ヘッドマウントディスプレイを使うユーザー視点の「主観映像」と、外部定点カメラを使い空間を俯瞰的に捉える「客観映像」の、2つの表示方法に対応します。
例えば、複数の作業者が互いの位置を確認するような用途にはヘッドマウントディスプレイの主観映像を、多人数で空間全体における動線や全体配置を検討するような用途には大型モニターによる客観映像をというように、用途に応じて使い分けることができます。
システム構成について
本システムは、お客さまの用途により必要となる設備・機器・ソフトウェアが異なるため、お客さまのニーズに合わせた構成で、キヤノンITソリューションズがMREALをカスタマイズして提供します。
MR(Mixed Reality)システムについて
MR(Mixed Reality:複合現実感)とは、現実世界とCGをリアルタイムに違和感なく融合させる映像情報処理技術です。MRシステム「MREAL」により、CGがあたかも目の前で現実世界に存在しているかのような臨場感を提供します。
- 1.HMDに内蔵された左右一対のビデオカメラによって現実世界を撮影し、その映像をコンピューターへ送ります。
- 2.画像処理や位置検出センサー、あるいはその両方を組み合わせた位置合わせ技術により、コンピューター内のCGと現実世界の映像を高精度に融合し、HMDに搭載された小型表示ディスプレイに表示します。
- 3.先進的な技術を結集した光学システムでディスプレイの映像を拡大し、臨場感のある立体映像をユーザーの眼に届けます。
「MREAL」の主な特長
1. 実物大で高精細なCGを描画し、優れた臨場感を実現
ビデオを通しての映像にも関わらず、あたかもそこにあるかのように、現実空間にCGを重ね合わせるため、仮想のモックアップでも本物と同じ感覚で体験できます。
2. 高精度かつ高速な位置合わせで、現実と仮想の世界を正確に融合
HMDの位置と姿勢をリアルタイムで計測し、1コマごとにCGを描画することにより、ユーザーの姿勢の変化や動きに瞬時に対応した合成映像を提供。
「MREAL」の製品名称とロゴについて
「MREAL」の「MR」はMixed Reality(=複合現実感)、「E」はExtreme(最先端・究極)、「A」はArt(技術)、「L」はLeader(先導者)を意味しています。 また、右記の製品ロゴは「m」と「r」をモチーフにしています。滑らかな曲線は、現実世界と仮想世界を繋ぐことで得られる柔軟性や限りない可能性を表しています。 キヤノンは、MRの分野において、今後も業界の先導者として最先端のソリューションを提供していきます。
内容は発表時のものです。商品の販売終了や、組織の変更等により、最新の情報と異なる場合がありますのでご了承ください。
本件についてのお問い合せ先
キヤノンITソリューションズ株式会社 MR事業部
TEL:03-6701-3328
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現実空間に、開発中の新型車や建設予定の建物が、実際に目の前にあるかのように現れます。
キヤノンが開発したMRシステム「MREAL」は、現実映像とCGを違和感なく融合し、自由な視点から体験できる映像技術です。
光学技術と映像技術を結集した「MREAL」により、幅広い分野にソリューションを提供しています。
- 人物合成映像システム
- MREAL Display 1997年から開発がスタートし、これまでの様々なユーザーニーズの変化に応えて改良され、用途に合わせた2つの機種をご用意しています。
- MREAL Platform MREAL Platformは、MREAL対応表示アプリケーションとMREAL Display、その他デバイスを接続するMREALの基盤となる専用ソフトウェアです。位置合わせに必要な位置姿勢情報、センサシステムとの連携、カラーマスキングなど、システムの各種設定を行います。
- MREAL専用アプリケーション MREALの表示には現実空間にCGを表示するためのMREAL対応アプリケーションソフトウェアが必要です。キヤノン製のMREAL専用アプリケーションに加え、各種3D-CADや3Dソフトウェアに対応可能なアプリケーションラインナップをそろえております。
- MREAL Visualizer MREAL Visualizerは現実映像に3D-CGを表示する専用ソフトウェアです。MREAL Display装着者の位置姿勢計測情報を元に、現実映像に3D-CGを合成します。
- MR Plug-in for Unity
◆MRコンテンツ制作の作業効率を大幅に向上
多くの開発者に利用されているゲームエンジン「Unity」。
既存プロジェクトにインポートするだけで、Unityで制作した高精細3Dグラフィックスを手軽にMREAL用コンテンツに変換できます。
◆MREALの基本ソフトウェア「MREALプラットフォーム」の主要機能に準拠
自身の手を仮想画像上に重ねるハンドマスク機能、透明モデルを設定することで現実物体と仮想物体の位置関係を正しく重ね合わせるオブジェクトマスキング機能など、MREALならではの機能を標準的に活用できます。 - XVL Studio Pro for MREAL
XVL対応ハイエンド3Dビューワ「XVL Studio Pro」のMREAL向け専用ソフトウェアです。
「XVL Studio Pro」が搭載する多彩な機能(工程機能・干渉チェックなど)で表示したデータをMREALで確認できるようになります。
仮想空間においてより現実的に、車、建設機械、造船等の大規模製品や製造設備のデザインレビュー、デジタルモックアップさらに作業環境の検証やメンテナンス作業の体験等が行え、製造業はもとより、建築、建設土木分野まで幅広い分野での活用が可能となります。
・実際の組立工程順と連動したバーチャル工程検討
・作業者の部品組み付け時に、動的な干渉チェックを仮想空間で実現
・3Dモデルへ検証結果を直接記録
■販売元: キヤノンITソリューションズ株式会社
■開発元: ラティス・テクノロジー株式会社 - XVL Studio Hybrid for MREAL
点群データをそのままXVLとして取り込み活用可能な「XVL Studio Hybrid」のMREAL向け専用ソフトウェアです。点群を含む大容量の3Dモデルの検証がMR空間で行うことができます。
■販売元: キヤノンITソリューションズ株式会社
■開発元: ラティス・テクノロジー株式会社